議員が妊娠出産したら職務放棄?直近のマスコミ報道に対して思うこと

直近各社マスコミ報道において、議員の妊娠出産について賛否両論がなされているようです。

私自身、妊娠中に都議選に出馬、そしてこれから出産を控える議員として
一個人としての意見を述べておきたいと思います。

実際に私は選挙期間中に妊娠を公表して活動をしておりましたが、報道に出ているような

「議員が妊娠をするとは職務怠慢だ」
「妊娠出産を控えた議員は立候補すべきではない」
という非難を有権者の方から直接受けたことは一度もありませんでした。(むしろ、励ましや当事者であるからできる政策に期待を頂いたことのほうがはるかに多かったと記憶しています)

ちなみに私の場合は、妊娠の事実が公認前に分かっていたため
・選挙期間中の体の負担
・当選後の議会と子育ての両立
・万が一のことがあった時の対応
などのリスクを事前に洗い出し、夫が育休を取得する、両親のサポートを受けるなど事前にルール決めを行った上で妊娠出産と議会活動を両立できる土台を整えてから出馬を決意していました。

批判を受けているという言葉が独り歩きすることで、あたかもそれが世論を代表する意見であるかのように取り上げられることは、妊娠出産とキャリアの間で悩む多くの女性たちに余計な社会的圧力がかかるという意味でも違和感を感じます。

ただし、一部の方からは
「身体は大丈夫なの?」(※身体には十分配慮して活動をしておりました)
「議員になってすぐに1年くらい休むんじゃないの?」(※最短で復帰を目指し調整をしています)
というようなご心配を頂戴したのは事実です。

こういった賛否両論が起きている背景には、議員の妊娠出産に関して
・妊娠出産によって、期待した仕事の成果が果たせないのではないか
・産休/育休中に歳費が支給されるのはおかしいのではないか
上記のようなご心配があるからだと思っておりますが、実はそれ以上に、議員活動の実態が知られていない、ということも大きな原因になっているのではないかと思っています。

■出産後3か月以内に会社復帰?~民間企業とは異なる女性議員の育休取得実態~
私たち議員は任期が決まっており、限られた期間の中で政策における成果を挙げていくのが仕事です。都議会議員の場合任期は4年間。期間限定で有権者からの信託を受けた職業なのです。

一般的な民間企業では、半年から1年程度で育休から復帰するのが大半ですが(厚生労働省雇用均等調査より)、議員の場合は、過去任期中に出産を経験した女性議員のほとんどは3か月以内に復帰をしています。早く復帰をしなければという心理的なインセンティブと時間的自由度が高い議員という仕事の特性が女性議員の早期復帰を後押ししていると推測されます。

■議会における妊娠出産のガイドライン制定が必要
加えて、女性の妊娠出産の前例が少ない政治の世界では妊娠出産に関わる制度が極めて少ないのが現状です。東京都議会でも女性議員の育児に関する休業の規定はなく、出産に関しても病気と同じ扱いとなります。実際に出産や育児でやむ終えず休暇を取る場合は、都度議会に届出を行い承認もらわなければいけないのが現行のルールです。

出産後無理をしてすぐに復帰をして後遺症が残る、という事態が起こらないためにも最低限の出産・育児の休暇期間に関するルールは必要なのではないでしょうか。また、これは歳費についても同様のことが言えると考えています。

子育て世代の女性が社会参加をする上で、妊娠・出産は避けては通れない問題ですし、
これを政治の場で実践することは、少子化対策や女性の社会進出にとって必ずプラスになるものと信じています。育児出産の当事者として感じる視点を政策に生かしてほしいと私を応援してくださった方の期待に応えるためにも、私自身が今回議会改革条例の中でこのテーマを議論を深めていきたいと思っています。

■妊娠・出産があっても働き、成果を挙げるための仕組み作りを
また休暇や歳費に関するガイドライン制定に加えて、政治の世界における妊娠出産中の働き方改革も併せて行っていく必要があると感じています。議員の仕事というと、議会で答弁や議決を行っている印象がありますが、実際に都議会の開催日数は年間約90日。それ以外は地元の陳情対応や政策勉強、そして地域活動(地元まわりや街頭活動など)が主となり、時間の組み立て方の自由度が非常に高いのです。

議会準備や政策調査は自宅でもできますし、党内の打ち合わせや部会であればスカイプなどのTV会議を使って意見をすることが可能です。すでに私が所属している都市整備委員では、部会内でテレワークの推進や休暇中の代理質問に関する仕組み作りもスタートしています。
今回を契機に都民ファーストの会の中で政治の世界の働き方改革を進めていきたいと思っています。

育児や出産に関しては、個人差が非常に大きい分自分自身、まだまだ未知数な部分が多いのも事実。今後も育児と議員活動との両立や制度の在り方についてはより深く検討し、発信をしていきます。

※写真は本日党内のママ・プレママ議員で行った議論の際の一コマ。都議会の中で最も子育て世代が多い党派として、生活者目線の政策議論を進めていきます。